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『漂砂のうたう』で直木賞を受賞した、木内昇(きうちのぼり)さんの

直木賞受賞後初の新刊が、明日発売になります。

題名は『笑い三年、泣き三月』(集英社刊・1,680円)

笑い三年、泣き三月というのは、義太夫節の稽古では、

泣き方よりも笑い方の方がずっと難しいという意味らしい

のですが、この小説が義太夫の物語というわけでは

ありません。

終戦直後の焼け野原で出合った、旅芸人、復員兵、

戦災孤児という、年齢も境遇も全く違う3人が、浅草の


ストリップ小屋で家族のように暮らし始めるという物語。

今日食べることで精一杯で、とにかく生きて行こうとする

人たち。そんな彼らの物語を読んでいると、色んなことでクヨクヨしたり落ち込んだりしている

現代の日本人たちに

「終戦直後に比べたら、どれだけ恵まれてるか!おまえらしゃんとせんか!」と

渇を入れられているような気持ちになります。

前作の『漂砂のうたう』とはまた異なる世界観が楽しめるこの作品。

最近どうも元気の出ない日本人に、読んで欲しい1冊です。

 
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